【店舗様向け】「廃油・含水油・汚泥」の違いとリサイクルの境界線
いつもお忙しい厨房業務、お疲れ様です!
調理後に必ず出る「使い終わった油」。実は、その状態によって「無料」になるか「有料処分」になるか、大きな分かれ道があるのをご存知でしょうか?
今回は、間違いやすい「廃油」「含水油(異物混入)」「汚泥」の3つの違いを、現場目線で解説します。
1. 資源として輝く「正常な廃油」
フライヤーなどで使用し、調理後にまとめられた油のことです 。
これらは飼料や燃料、石鹸などの原料として無料で100%リサイクルが可能です 。
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外観: 使用による酸化で色は濃くなりますが、全体が均一な液体状です 。
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臭い: 油特有の臭いや、酸化による「油臭さ」があります 。
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成分: 純粋に調理で使用した油の変質のみです 。
2. リサイクルを妨げる「含水油・異物混入」
油の中に、水やゴミ、他の液体が混ざってしまった状態です 。これらは処理施設でのトラブルや火災、環境汚染の原因となるため、リサイクルが困難になります 。
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外観: 液体の中に固体片や沈殿物が見えたり、水と油が分離して層(含水)になっています 。
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臭い: 薬品臭、カビ臭、腐敗臭など、油以外の異質な臭いがします 。
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粘度: 部分的にドロっとしたり、塊状の物質が混ざるなど、粘度が不均一です 。
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混入NG例: 水、洗剤、タレ、ソース、金属片、プラスチック、虫など 。
3. 全く別物として扱うべき「汚泥」
最も注意が必要なのが、グリストラップ(油水分離槽)の清掃で発生する「汚泥」との混同です 。
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定義: フライヤーの油(廃油)に対し、汚泥はグリストラップから出る泥状の廃棄物です 。
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5%の境界線: 油分を5%以上含めば「廃油と汚泥の混合物」となりますが、5%未満なら「汚泥」として扱われます 。
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処理: 汚泥が混じった廃油はリサイクルできず、有料処分となる場合がほとんどです 。
ひと目でわかる比較表
項目 正常な廃油 含水・異物混入油 汚泥 主な由来 フライヤーでの調理
保管ミス・不純物の混入
グリストラップの清掃
見た目 均一な液体
分離した層、沈殿物
泥状の廃棄物
リサイクル 可能(飼料・燃料など)
困難(火災等のリスク)
不可(適正処分が必要)
無料・有料 無料 有料 有料 まとめ:環境に優しいお店であるために
リサイクルを成功させる鍵は、現場での「ちょっとした気遣い」です。
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混ぜない: タレ、ソース、洗剤、水が入らないようにしましょう 。
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守る: 保管時はフタやラップを被せて、不純物の混入を防いでください 。
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冷ます: 安全のため、必ず冷ましてから一斗缶(7〜8分目目安)へ移してください 。

「この油はリサイクルできるかな?」と迷ったら
お気軽に回収担当者または弊社までご相談ください。
リサイクルできる廃食用油のつもりで回収を頼んだけれど、回収されていないという場合もご一報ください。
もしかしたら油以外のものが混入していているかもしれません。
弊社は含水油や汚泥の場合は有料になるため、お客様の同意をもって回収をしております。
勝手に持っていくことはありませんのでご安心ください。
